漆の器を作る仕事をしているけれど、世界で一番好きな作家はといわれるとルーシーリーと答えてきました。
彼女の器との出会いは、確か中学生くらいの時、信楽の陶芸の森美術館で楽焼の何代目かの作品ならんで展示されているのを見た時でした。その時は、ただただ綺麗な器を見たという印象でした。
それから20年以上たって、日本でルーシーリー展が行われ、あの時の心に残った作品の作者がとても有名な作家だったのだと、初めて知りました。
それから、金継ぎの仕事を始めるようになり、いつかルーシーリーの器を直す機会を得たいと心に思っていたら、その夢が現実になりました。
小さな水差しです。
彼女の作品は、今、どれだけ世界に存在しているのかわかりませんが、縁あって手元にあずかることができた奇跡に感謝です。