暖かい日が続き、漆の新芽も緩んできました。
いよいよ漆畑も草刈りもスタートです。漆の木を育てる暮らしを始めて、季節を一巡りして思った一年の流れは、3月の初春に漆の木を植えて、4月に入ると野菜の種をまいて、米作りの準備の田お越し、次は漆畑の下草刈やお茶の木の手入れ、そして5月のお茶摘みが終わったころに田植え、それから、梅雨に入り、漆搔き(私が自分で漆を掻けるのは約10年後だけれども)。夏いなると、お米を植えなかった田んぼには、お盆のころにそばを蒔いて、一夏通して漆搔きが終わる10月に、稲刈りがあって、11月には蕎麦刈り。蕎麦を刈った後、裏作には小麦を植えて、雪を待つ。そんな一年の廻りが見えてきました。
そして、漆を掻くことができるまでの10年は、漆をを種から育てたり、やがて漆が花をつけるようになったら、漆の花の蜂蜜を集め、実を取りロウを作り、漆茶を飲み、やがて漆を掻いた後の木では漆染で布を染める。そんな長い廻りも見えてきました。
漆を育て、子供を育て、米や野菜を育てて暮らす自然の廻りのスピードに合わせた営みは、経済の廻りのスピードとは違うけれど、実践してみると理にかなっていると実感した一年。
これから始まる一年の廻りは、お茶の木以外にも、漆を一緒に育てるのにぴったりな植物を見つけてみたいと思っています。