娘のごはん茶碗

娘のごはん茶碗

ここ数日は暖かい日差しが差し込むようになりました。

去年の年末に、庭に面した窓際のカウンター机に、仕事スペースを移動しました。その場所は、午後になると、家中で一番日が差す場所です。細かい仕事が多い金継ぎも、日の差す時間は自然光だけで細部も見えるのが嬉しいです。今まで、部屋の灯りを変えて工夫していたけれど、自分が座る場所を変えることが、手暗がりを解消する一番の答えでした。

光が優しい、その窓際で直したのは、娘のお茶碗です。それは、離乳食が終わって、いよいよご飯を食べ始めるときに、友人の陶芸家の方から求めたものです。金継ぎが生える美しい、白いお茶碗を選び、いつか割れたり欠けたりしても直すから大丈夫という母心がありました。そして、いざ使い始めてみると、そのいつかは意外に早く1週間でやってきました。しかも、可愛い欠けではなくて、バラバラにいくつもの破片に割れ、直すのにも時間がかかる難易度の高い割れ。

1年半くらいかけて、ゆっくり、のんびりと直しました。最後の仕上げの色が、まだ決まらないので、しばらくは黒で使って、後からまた蒔絵紛でお化粧しようと思っています。そのころには、また新しい欠けや割れができているかもしれませんが。